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2013年10月

鎌倉の伊東深水のアトリエ

鎌倉における伊東深水が晩年すごしたアトリエは北鎌倉駅を降りて、駅前の交番の脇を進んでいった山の上にあった。西瓜ヶ谷と呼ばれる場所で、ここで書生として14年間住みこんだ。尾根伝いに仮粧坂に出て買い出しに行かされたりもしたものだ。

郷土

郷土の森町のお祭りは立派な山車が繰り出され勇壮であったことを今も覚えている。

子供時代

子供の頃から絵を描くことは好きで学校の先生に褒められたものだ

遠州森町

郷里は静岡県周智郡森町である。遠州森町は森の石松でしられる街でお茶の産地である。かく言う大竹家もお茶を営んでいた。

その昔、掛川の御殿様が森町の三倉中村という場所を視察した時、そこの地主の家で休憩をとった。殿さまは、家の主と談話がはずみ、うっかり竹の杖を地面に刺したまま忘れて行ってしまった。やがて杖から根が出て、葉が茂り竹林となった。その竹は大名竹(だいみょうたけ)と地元で呼ばれ、竹林の有った家も大名竹家と呼ばれるようになった。

今では大名竹(大竹)家も土地を離れてしまった。屋敷の跡地は山に埋もれ、竹は今でもこっそり人知れず生えているとのことである。

今でも森町役場から町の広報誌が家に届く。わずかながら繋がりは続く。

 

美しき流れ

「美しき流れ」は絵に必要である。

良い絵には流れがあり、悪い絵は流れが止まっている。

まず第一に構図が大切である。構図が良いと自然と絵に流れが出来てくる。

逆に構図が悪いといくら描き込んでも流れは出てこない。

 

註)「美しき流れ」はそもそも、「武田信玄」や「信長」といった20年ほど前の大河ドラマで使われた言葉であった。この場合は歴史における政治的

秩序の理想をうたったものであったが、すべての事象にこの言葉は当てはまる。イメージとしては以前から持っていたが、良い言葉が今までなか

った。今は座右の銘としている。

画品

絵に限らず品というものは大事である。下品な人よりやはり上品な人の方が美しいと感じるはずである。

絵も一緒でどんなに上手でも品が無ければ魅力を感じられない。特に美人画の場合はモチーフが舞妓さんということもあり、より品格が求められる。

上品な絵を描くには作家自身の品性を磨かなくてはならない。

絵描きに必要なもの

絵描きに必要なもの。デッサン力、構成力、色彩感覚・・・もちろんこれらも必要では有るが、もっと大事なものは画品と美しき流れである。

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